Mother   "John Lennon/Plastic Ono Band"1970

今日は12月8日。
彼の死から29年。
彼の曲を聴きながら追悼したいと思います。


今となっては自分の無知さが恥ずかしいんですが・・・。
ジョン・レノンというと「愛と平和の」というイメージがあり,なんか取っつきにくい感じでした。
「愛と平和」をうたい文句にした胡散臭い輩をいっぱい見てきたので。


しかし,彼の1stソロを買って聴いてみたところ,ぶったまげました。


1曲目がこの曲です。




"母さん 僕はあなたのものだったけれど あなたは僕のものじゃなかった
僕はあなたが欲しかったけれど あなたは僕を欲しがらなかった
だから僕はさよならを言わなくちゃいけない"


"父さん あなたは僕を捨てたけれど 僕はあなたから離れなかった
僕はあなたが必要だったけれど あなたは僕が必要じゃなかった
だから僕はさよならを言わなくちゃいけない"


"子供達よ 僕の過ちを繰り返さないでくれ
僕は歩けもしないのに走ろうとした
だから僕はさよならを言わなくちゃいけない"


そうやって昔との決別を歌ったあとに,しかし,彼はこう叫び続けます。


"母さん 行かないで"


"父さん 帰ってきて"


彼が物心ついた頃には両親は離婚し,母親に引き取られますが,再婚のため叔母に預けられます。
そして母親は交通事故で若くして亡くなってしまいます。


この曲は,そうした彼の体験から作られた曲のようです。


正直,最初聴いたとき鳥肌が立ちました。
こんな心を揺さぶられるような曲には,なかなか出会えるもんじゃないですから。


彼はすべてをさらけ出していました。
自分の弱いところも,見られたくないところも。


今日は12月8日です。
彼の曲を聴くと,厳かな気持ちになってきます。


年に1度,そんな日があってもいいんじゃないでしょうか。